今回はグリーン周りで使用するウェッジを解説します。ウェッジは一般的には100ヤード以内の距離やグリーン周りのアプローチで使用するゴルフクラブで、バンカーやラフからの脱出でも使用されます。
過去にはアイアンセットに含まれる形で販売されていたウェッジですが、最近のアイアンセットは5I~PWの6本販売が主流となっていて、PWのロフトによってウェッジを2本~3本追加するのが一般的となっています。
ウェッジの種類
ウェッジは飛距離が出る順に「ピッチングウェッジ」「アプローチウェッジ」「サンドウェッジ」「ロブウェッジ」の4種類に分かれます。
ピッチングウェッジ
ピッチングウェッジはウェッジの中でも一番飛距離が出るクラブです。ロフトは43°~47°で、一般的な男性のフルショットで100ヤード前後の飛距離となります。ロフトの角度が小さいことからボールの打ち出し角度も低くなり、ボールが転がりやすいのが特徴です。
アプローチウェッジ
アプローチウェッジはピッチングウェッジの次に位置するクラブです。ロフトは48°~53°で、一般的な男性のフルショットで90ヤード前後の飛距離となります。主にグリーン周りのアプローチで使用されるクラブで、ボールを高く上げて止めるロブショットやボールを浮かせてから転がすピッチ&ランといったコントロールショットが可能です。
サンドウェッジ
サンドウェッジはアプローチウェッジの次に位置するクラブです。ロフトは54°~58°で、一般的な男性のフルショットで80ヤード前後の飛距離となります。主にバンカーで使用されるクラブで、バンカー以外にも深いラフからの脱出などでも使用されます。
ロブウェッジ
ロブウェッジはサンドウェッジの次に位置するクラブです。ロフトは60°かそれ以上で、ボールを高く上げるのに特化し、強いスピンをかけやすく高弾道からピタッと止めたい時に使用されます。
ウェッジの組み合わせ方を教えてください。
ウェッジの組み合わせにはピッチングウェッジのロフトが重要です。基本的には「番手間のロフトを等間隔に近い形で設定する」か「サンドウェッジを54°か56°か58°に設定してからピッチングウェッジのロフトの中間になるようアプローチウェッジのロフトを設定する」のどちらかで決めることが多いです。
例えば、ピッチングウェッジのロフトが44°だと50°・56°という2本の組み合わせか、48°・52°・56°の3本の組み合わせが一般的です。
サンドウェッジですが、ロフトが大きすぎるとヘッドがボールの下に潜ってしまうミスが起きやすくなります。バンカーが苦手な方は一般的な56°を選ばれると良いでしょう。
ロブウェッジが入っていませんが?
ロブウェッジは必ず必要なクラブではありません。「ボールを高く上げて止めたい」「フェースを開いて強いスピンを掛けたい」といった方が追加で購入するクラブです。
ウェッジに重要なバウンスとは・・・
ウェッジを選ぶ際にはバウンスも重要です。バウンスとはゴルフクラブのソールの地面方向への傾きのことで、一般的には0°~8°程度のバウンスをローバウンス、12°以上のバウンスをハイバウンスと呼びます。
ローバウンスのウェッジは、ソールの出っ張りが小さいため、フェアウェイや土の地面に接地したボールを拾いやすく、フェースを開いてボールを高く上げるロブショットを打ちやすくなります。一方でリーディングエッジが地面に鋭角に入りやすくなるためザックリといったミスが起きやすくなります。
ハイバウンスのウェッジは、ソールの出っ張りが大きいため、ダフリやザックリといったミスを減らすことができますが、硬い地面だとソールが地面に当たって弾かれることでトップが起きやすくなります。また、ハイバウンスのウェッジはフェースを開くときにソールの出っ張りが邪魔になるため、フェースが開きにくくなります。
一般的にはピッチングウェッジはフルショットで使用することが多いためハイバウンスモデルが多く、アプローチウェッジ・サンドウェッジは両方のモデル、ロブウェッジはローバウンスのモデルが多く製造・販売されています。アプローチ・バンカーでフェースを開いて弾道をコントロールする方はローバウンスモデル、フェースを開かずに易しいウェッジを求める方はハイバウンスモデルを選ぶと良いでしょう。
ウェッジのソール形状とネック形状
ウェッジにはソールの幅や形状に違いがあります。例えばソールの幅が広いウェッジはバンカーから脱出しやすくダフリなどのミスを減らすことができます。また、ソールが多方面に削られたウェッジはフェースを開きやすく、ソールの抜けも良いため、ボールの高さやスピンの量を調整しやすくなります。
アイアン・ウェッジのネック形状は「グース」「セミグース」「ストレート」の3種類に分かれます。グースネックはゴルフクラブのリーディングエッジがシャフトのラインよりも後方に位置していて、ボールがつかまりやすいのが特徴です。逆にストレートネックはリーディングエッジがグースネックよりも前に出ていて操作性が良いのが特徴です。
ヘッドの素材がステンレス製のウェッジはソール幅が広くグースネックのモデルが多く、軟鉄製でヘッドが大きめのウェッジはセミグースネックのモデル、軟鉄製でヘッドが小さめのウェッジはストレートネックのモデルが多く製造・販売されています。
ウェッジのシャフトの選び方
ウェッジを選ぶ際にはシャフトの重量が重要です。ウェッジは主にアプローチで使用するクラブのため安定感を得るためにはある程度の重量が必要です。アイアンセットと同重量(同じシャフト)か少し重めの重量のシャフトのウェッジを選びましょう。
※アイアンセットより軽い重量のシャフトのウェッジは選ばないようにしましょう。
まとめ
今回はグリーン周りで使用するウェッジを解説しました。
ウェッジは「ロフト」「バウンス」「シャフト」「形状」の組み合わせで選びます。選び方としては、どのようなショットを打ちたいのかをイメージしながら、ヘッドの素材、ヘッドの形状、シャフトの重量、ロフト、バウンスの順に絞っていきましょう。